提言等

【政策提言】日本のGDPを飛躍的に伸ばす方法

【政策提言】日本のGDPを飛躍的に伸ばす方法

 

日本のGDPはここ30年近くほとんど成長していません。いわゆる失われた30年です。この原因は、デジタル化などのイノベーションの欠如と、新興国による技術や生産能力キャッチアップの板挟みにあっていることだと考えます。そうだとすると、成長のための根本的解決策は、イノベーションを加速させること、その促進要因に投資し、その阻害要因を取り除くことですが、これとは別に私は比較的短期的に飛躍的な成長を達成する方法があると考えています。

今回の記事では、私が考える短期的な成長策を提言します。これにご賛同いただける方は、是非様々な方法で広報し、行政に提言し、これを促進するよう各方面に促していただければ幸です。

なお、ご紹介する提言は、地元自治体等とは全くお話ししているわけではなく、私の全く勝手な提言であることを申し添えます。ただ、この提言は、法律の改正を伴うものの、コンセンサスさえあれば全く可能であり、夢物語ではないと私は考えています。なお、現行の特区に関する法律でできるのか、法の制定が必要なのか、その場合に憲法上の国民投票を必要とするのかなどについての検証は未実施です。

 

GDP飛躍的成長のための提言共通の考え方

 

今回提案するアイディアは、金融中心の特区と製造中心の2つの特区を新設するものです。

これらの特区は、特定の規制を緩和するというようなよくある特区ではなく、金融であればロンドンと同様な操業環境を実現できるようなものとして、製造であれば日本国内にベトナムやミャンマーと同様な操業環境を実現できるようなものとして、それらをオフショア化するものです。取引規制のみならず入管などに関する規制をできるだけ緩和して外国籍の人が日本に来て労働することを支援します(犯罪歴がある人などは当然制限します)。

特区は、日本国の領土であり、日本の警察を置くことはもちろんですが、日本の他の地域と隔離して外国からのアクセスを容易にするとともに、他の日本の地域との間で人が往来できないようにします。出入境管理を行うため特区には島が適しており、そこに接続する道路や鉄道に検問所を設けます。反対に空港や港などを経た外国からのアクセスを容易にし、簡易な入管だけでアクセスするため空港や港とセットとして運用します。

 

提言1:東京埋立地への金融センターの招致

 

金融特区を、東京の中央防波堤埋立地全体に設置します。中央防波堤埋立地であれば、限定的な道路からしかアクセスできないため、そこに検問所を設けることができ、羽田空港とも隣接するため羽田空港から船あるいは専用バスでアクセスすれば、空港との一体運用が可能になります。将来的には沈埋工法による海底トンネルの敷設も可能だと考えます。羽田空港の発着枠を、世界の主要な金融都市との直行便に対して優先的に割り当てます。

特定の金融規制の緩和ではなく、例えば英国とアライアンスし、エリア内部では日本国憲法やオフショアの考え方と矛盾しない限り基本的に英国の取引規制法規をまるごと準用し、監督官庁についても金融庁の監督には服するものの日本のプラクティスとは完全に分離して外国人の経験者を多数採用し、英国式の監督方法を取り入れます。

現在、このエリアには焼却灰などの産廃を盛り過ぎていますが、十分に焼却してあり埋めてもメタンを発生させるようなものではないので、東京都の管理水面を超えた埋め立ての拡張を可能としてその埋め立てのために焼却灰を使用し、オフィスビルとともに住居棟も多数建設して、基本的に島内で全ての生活ニーズを満たせるようにします。日本と査証免除プログラムがある国の国民であれば検問所を通じて自由に日本の他の領土を旅行できましし、それ以外の人たちへはエリア内に外務省の領事部を設置してビザの発給を行えるようにすればよいと思います。

日本全体、あるいは東京全体を変革するのは時間がかかるので、まっさらの土地に先進的な金融センターを作り上げて時間を節約するとともに、その波及効果として日本や東京の金融を変革していきます。金融先進国の法規やその運用実態を学び、少しずつ日本のプラクティスを確立し、それを選択的にエリア外の日本の金融機関に適用することにより、日本全体の金融の競争力を徐々に引き上げていき、日本全体が先進的な金融の規制や慣行を受け入れるに至れば、最終的にはエリアを解消してもよいかとも思います。

このエリア内にカジノなども設置できるようにすれば、羽田での乗り換え客の余興として使え、ハブ空港としての羽田の競争力向上につながると考えます。ディズニーランドも近いので、羽田乗り換え客が家族で1日滞在し、次の目的地に向かうというようなことも考えられるのではないでしょうか。

 

提言2:淡路島への製造特区の設置

 

製造の特区は、淡路島全体に設置するとよいと考えます。

淡路島は、阪神工業地帯の他、中国四国の瀬戸内と高速道路で接続し、北九州や関西全域ともサプライチェーンを高速道路や瀬戸内平水の内航を使って形成するのに有利であり、畿内から瀬戸内全体に経済波及効果をもたらすことができます。初期的には神戸港のコンテナ処理能力を使いますが、将来的には友が島の外側の太平洋側に、大型のコンテナバースを持ち国土交通省の管制を受けずに着桟可能で、低コストの労働力を使用できる港を整備し、主に北米航路や将来の北極航路から東アジア各地への積み替え需要に対応します。

神戸空港の能力に余力があるため、神戸空港と専用バスや船などで接続し、人の往来と貨物輸送のために特区エリアと一体的に運用します。関空との船便も増発し、海外から直接入域、貨物の搬入搬出ができるようにするとよいでしょう。エリアへの入管は高速道路の出入り口に設け、日本国民以外は必ずそこを通らなければ他の地域に行けないようにします。単純労働者も受け入れるため、かなりの外国人人口が淡路島に居住することになりますが、島の周りの潮流が激しいので、淡路島から他の地域に密入国することは極めて難しいと考えます。

淡路島域内においては、法人税や消費税、各種の取引税は全て撤廃し、島全体を保税区として運用します。島内部の加工による付加価値には全く課税せず、島から他の地域に搬出するときに課税を考えます。

知的労働者のみならず、単純労働者であっても域内への入場や居住をできるだけ自由にし、最低賃金も撤廃します。しかし、当然のことながら犯罪歴がある人は勿論入国を制限しますし、治安維持はもちろん日本の警察(兵庫県警?)が行います。

鳴門などの観光資源も豊富で、産業的に興隆すれば工場見学などの産業観光も可能であり、このエリアにおいてもカジノを設置し、観光客も誘致するとよいと考えます。関西や瀬戸内の他の観光地との組み合わせも容易です。

 

やれるのは今しかない

 

この政策は、金融にしても製造にしても、日本にある程度の強さが残っている間に、まだ国内に工場が残っている間にやらないと意味がありません。GDPの停滞は、そのまま国力の衰退につながり、最終的には軍事バランスなども根底から崩しかねません。これらの策を実施できるのは、日本の強さがまだそれでも残っている今しかなく、今何らかの大胆な手を打たないと日本が沈んでいき、それに勢いがつき始めると再生策を打っても効力がなくなってしまうと思います。

本来、特区制度は、小泉内閣が深センに倣って制度化したものです。その割には、ある特定の規制だけの適用を除外するような矮小化された特区しか設置されてきませんでした。特区制度のもっと大胆な活用を期待します。

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